全日本選手権が終了した。
結果は男子全種目敗者復活落ち、女子シングル3位、女子クオドルプル8位。男子の弱さが際立ってしまった。
今の4年生は2009年全日本新人選手権で男子エイト2位になった代である。一位とも僅差だった。その結果に満足せずにさらなる飛躍を成し遂げていればこのような結果にはならなかったはず。少なくとも4年生が多く乗っているクルーで惨敗はあり得なかったず。負けたのは選手が弱かったためであるが、選手が弱かったのはなぜだろうか。やる気や熱意が足りなかったからだとすれば、どうすればやる気や熱意が生まれるのか。この精神面の問題について全部員が行える改善の余地が多く残されている。
努力すれば必ず成果は現れるはずである。その努力は練習に取り組む際の精神状態など、フィジカルトレーニング以外の場にも及ぶ。一日24時間という限られた中でいかにそのような意識を持って取り組むことができるかが重要になってくる。全ての時間をボート競技だけにつぎ込まなければならないということではなく、大学の授業や友人との関わりといった他の行動との兼ね合いの中で、ボートに取り組む時間の長さや質を高めなければならない。そのためにどうすれば良いか、どういうことはダメなのか、自ずと答えは見つかるものだ。あとはそれを実行するだけである。その行動に移すということが難しいのはOB、OG、現役部員の全員が自らの経験、そして一橋の過去の歴史からも感じていることだ。
周りに流されず、過去の実績に流されず、自分と向き合い成長し続けた選手は過去何人もいただろう。しかし、成長して出せるようになったパフォーマンスは果たして日本一というボート部の目標を達成するだけのものだっただろうか。単に成長するだけでは不十分であり、同じく日本一を目指す他の人より優れていなければいけない。現在、コーチが基本となるメニューを与え、それをこなすというものが基本的な練習スタイルになっている。自らの足りない要素を考えた上で練習方法を工夫したり、練習量を増やしたりするようなことはあっても、基本はコーチのメニューである。そのように同じような練習をしているのに部内でもパフォーマンスに差が出る。それは入部後の意識の差だけでなく、身体能力や体格の差という持って生まれたものや大学入学までに身についたものの差にも影響される。そのような差を認識すれば、誰でも同じようにボートに取り組めばいいというものではないことがわかる。
そのような差を認識して真摯にボートや自分に向き合った結果、もしくは、身体能力や体格というもので特別恵まれていた結果、世界選手権やオリンピックに出場するような選手が現れたとしよう。そのような選手は日本でトップレベルであり、まさに日本一を実現するのにふさわしい選手だろう。しかし、一橋ボート部にとって、少なくとも近年は男子エイトや女子クオドルプルといった男女のメインレースでの優勝が目標である。これらはクルーとして、またチームとして日本一を競うものであり、特別に優れた選手がいるからといって成し遂げられるものではなく、特別に優れた選手がいなくても成し遂げられるものである。
したがって、目標達成のためには自分自身の競技力向上だけでは不十分なのだ。では、そのために漕手、コックス、常駐マネージャー、女子マネージャーは何をすればいいのか。また、そういった現在の役職という枠組みを越えて個人は何をすべきなのか。どうすれば周りを巻き込んで強くなれるのか。
下級生の頃は、周りを巻き込むというある意味驕った考え方もあまり好きではなかった。私が巻き込む必要もなく、各個人は全力で頑張っていると思っていたからだ。しかし、それは周りからの反発を恐れていたり、自分の競技力の向上や自分のクルーの調整だけを考えている方が楽だったからなのかもしれない。
主将として活動した今シーズンは、周りと共に強くなることの重要性を認識しながらも、それができなかった。そもそも私自身があまり強くなれなかった。だが、周りからやる気や熱意をもらうことが多かったように感じる。それは同期や後輩、引退した先輩に恵まれていたからだろう。
以上長々となりましたが、本当に様々なことを考えたところ、結局いろんな意味で自分がたいした選手ではなかったから負けたのだという結論で私からの今シーズンの総括とさせていただきます。
HUBC2011を応援してくださってありがとうございました!!!!!!!!!!!!
そして、
「楽しくなくていい、結果を出したいんだ」という、結果への拘りという面で頼もしい人や、
「ラクしたいじゃないですかー」という、快楽の追求という面で正直な人がいるチームもよろしくお願いします。
元主将 笠谷勇希